幸 せ な 誕 生 日

「近藤さん。コレも食う?」
 そう言って土方は屯所の食堂で、隣に坐る近藤に、自分のトレーから茄子の煮びたしの小鉢を差し出す。
「……ありゃァ食うけど。あ、サンキュ」
 お前茄子嫌いだっけ? と近藤が窺っていると、向かいに坐る沖田が「ずるいでさァ」と声を上げた。
「何がだよ」
 そちらからは目を逸らし、土方は残りの食事に気が済むまでマヨネーズをかけていく。
「プレゼントは禁止だって決めたなァアンタですぜィ?」
 近藤の誕生日には以前、隊士中がプレゼントを用意しそのお返しにと近藤が物を用意し、等から一時真選組内にプレゼントブームが巻き起こり、これじゃキリがないだろうと、土方によって現在は一切のプレゼントが禁止されている。

「プレゼント? なの?」
 茄子が? いやいや、嬉しいけどね、俺は好きだけどね茄子。すんごい好きって訳じゃなく普通にね、と近藤が土方の顔を横から覗き込んだ。
「バッカ誕生日のプレゼントに小鉢一個贈る奴ァいねーだろ」
 目を泳がせながらマヨ飯をかき込む土方を、沖田が図星かコノヤローとばかりに「ケッ」と呟き一瞥する。
「近藤さん。どっかのバカヤローのせいで物はあげられねェんで、俺の純情受け取って下せィ」
 言うと沖田は立ち上がり、テーブル越しの近藤へ向かって「んー」と唇を突き出す。
「おっ愛されてんなァ」
 近藤はそう言って笑うと、おどけて自分も沖田に向かって唇を尖らせた。その肩を土方が慌てて引く。
「ふっざけんなァァァア!」

「誕生日に今後ァキッスも禁止だ切腹だって言い出すつもりですかィ?」
 ニヤリと笑う沖田の台詞に土方は赤くなり、ぐっと言葉を詰まらせた。
 横で近藤がぷっと吹き出す。
「後でお前もちゅうしてやっから。とっととメシ食っちまおうぜ」
「なっ……」
 みるみる内に耳まで朱に染めた土方の頭を、近藤の大きな手がぽんぽんと撫でるように叩いた。

 幸せが沢山詰まった、今日はそんな、特別な日常。







何だこの日付! 何だこの話! ポエムだ。
わああ!
どうしても近藤さんのお誕生日になんかしたかった。
すっかり遅刻ですが、近藤さん大好き。
本文中まったく言ってませんが、お誕生日おめでとう!!
何遍でも言うよ! 近藤さん大好きー!!

07.09.06