宮益×仙道 4

なんでもない宮仙。できてる前提。

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「仙道。寒い?」
「え?」
 折り曲げた膝を両手で抱きこむように座っていた仙道は、その声でハッと顔を上げた。
 宮益が隣から覗き込むようにしている。
「なんで? 平気ですよ」
 首を傾げる仙道の前のテーブルに、宮益がコーヒーを置いた。
「なんかいつもこの部屋くると、そうやって小さくなってるだろ?」
 その言葉に仙道は、軽く口を引き結び、テーブルの脇へと転がった。部屋は床に敷いたホットカーペットで十分暖かい。
「……小さく、ないです」
「ん?」
「オレ、デカイから。小さくはなれないです」
 珍しく口ごもるように呟いた仙道を、隣に座った宮益が驚いたように見下ろした。
 そういえば最近、仙道は髪を立てていない。それも自分との身長差を気にしていたからだろうか。
 高校のバスケ部時代に自分より大きな男たちといるのが普通だった宮益にとっては、身長差など取るに足らない事だと思っていた。それ以前の問題として、仙道のようなスーパースターが特に取り柄もない自分のような男といる、それが不思議だった。
 宮益が仙道の頭を、そっと撫でる。
「デカイのなんていいことないです。服もサイズないから選べないし高いし、どこにいても目立つし」
 気持ちよさげに目を閉じながら、珍しく拗ねた口調の仙道の頭を撫でながら、宮益が微笑んだ。
「でも、バスケだと役に立つだろ?」
「……うん」
「バスケでコート走り回ってる仙道は格好いいからなぁ」
「そうでも、ないですよ」
 ふ、と瞼を開いた仙道と目線が合う。コート上では鋭く光る仙道の目が、今は穏やかに宮益を見上げている。
 仙道のこんな顔を見るのが自分だけならいいのに。不意に浮かんだ自分の考えに、宮益は頬を赤らめた。
「そう? 格好いいよ。そんで今は……か、可愛い」
「ええ? 可愛い? オレが?」
「うん。なんか」
「……じゃあ、もっと可愛がってくれますか?」
 言って仙道は頭を撫でていた宮益の手を取ると、そっと伸ばした舌で指先に触れた。
「っ! ……仙道……」
 たまらず宮益が横たわる仙道へと状態を屈める。
 寄せた仙道の唇は、甘い香りがした。



13.2.2 日記にUP
この時、怒涛の宮仙週間だった。

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