愛があったらしたってイイじゃん・7 そーゆーの、全部、アンタが相手だからって、この人判ってねェんだろうか。ただ突っ込まれて気持ちいいからって抱かれてるとでも思ってんの? 体重ねてんのは、快楽が欲しいからじゃねェ。アンタが欲しいからだ。 それをなんだ。そんな、そういうおもちゃを俺が、ハイそうですかと喜ぶとでも? 怒りたくもなるってーの。 だから、だからまァ、見せしめだ。アンタのモン以外じゃヤダから、アンタのモン以外を突っ込む、てのもおかしな話じゃあるんだけど、近藤さんにお仕置きだ。 俺が、アンタのモンじゃねェ、おもちゃでアンアン言ってるトコ、指ィ咥えて見てりゃいい。 アンタの指とかアレとか以外、入れた事ねーから判んねーけど、多分突っ込んで掻き回しゃ、それなりにイイんだろ。 そんな風にヤケになってりゃ、近藤さんは俺の耳たぶ甘噛みしながら「なァに拗ねてやがる」ってとっておきの声で囁いた。 「拗ねてんじゃ、ねェ」 衿をくつろげ進入してくる指に胸の辺りを弄られると、自分の息が湿るのが判る。 「じゃ、意地悪か。なァ、いじめねェでくれよ」 からかうみてェな、ねだるみてェな声を出しながら、近藤さんが俺の首に唇を落とす。唇の感触も勿論なんだけど、顎鬚が当たると近藤さんの存在を強く意識してぞくぞくした。 「誰が、意地悪なんか……」 気分的にゃァカチンとしてんのに、悔しい程に震えた文句が、近藤さんの口に吸い取られる。あー……。 「俺だってオメーが、おもちゃとはいえ俺以外のモンで一人で遊んでるなんて、考えただけで頭パーンだぞ。お前にゃやっぱり「ああん近藤さんのが最高」って言って欲しいじゃねェかよ。ええ?」 俺の髪へ絡める指を、狡いと思う。囁きで、俺が落ちると思ってそうなのに腹が立つ。なにより実際もうぐらぐらで、ほとんど落ちそうな自分が情けねェ。 重ねた体をくねらせてくる近藤さんの熱の刺激に、今にも開いた足をこの人の背中に巻きつけたいって、そんな気持ちがバレないように、無意識で体が逃げを打つ。 「随分調子がいいじゃねェか」 目を開けてるのが精一杯で、せめてと強がる口調は、頼りなく揺れた。おまけに、駄目だ。びくともしねェ。熱い体が離れやしねェ。却ってこの人が抱いているのに具合がいいようにって巻き込まれる。 「欲しがらせてやる。「アンタじゃなきゃ駄目」ってな」 くそ。そんな声、出すんじゃねェ。その目もその指も堅い腕も全部、反則だ。 「そりゃァアンタじゃねェか。えらく俺の機嫌取って、よ。そんなに抱きてェか?」 まァだ怒りは治まってねぇって、誇示しようと懸命に挑発する俺の唇を、近藤さんがなぶるように吸って、目を細める。 「当たり前だ。……食わせろ」 そんな事を言われたら、俺の意地なんてそういつまでも続くもんじゃなくて……畜生! |